この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
藍の果て
第4章 バルトの復讐者


2209年 DEADEND バルト



DEADENDでは、都市の一つ一つが、それぞれのルールを持って自立している。
地球の国と同じで、人種も違えば文化も異なる。
パルバナは富豪が多いが、鉱山と緑しかない田舎町。


実質、このバルトという都市がDEADEND全体の実権を握っている。
パルバナとは比べ物にならない程の土地を有し、人口も多い。
そして、金を持った人間がのし上がれるパルバナと違い、バルトは実力社会。
つまりは、強い者が生き残るという、治安は悪いが分かりやすいシステムだった。




強い者が祀り上げられ『王』と呼ばれ政権を握る。
バルトは王政の中で成り立つ都市だった。
男はそんな分かりやすい環境を気に入っていた。
腕にも自信があったし、大人だろうが平伏させる満足感は渇望した支配欲を満たされた。



男の名前は<シルヴァ>と言った。






バルトに生まれ、幼少期も此処で過ごしたシルヴァは、当然のように王になると考えていた。
下剋上もありの都市で、王の家来に決闘を申し込んで、そのまま城勤めにまでは成り上がった。
そこまでは、彼の中で順風満帆な人生だった。





が……。




「勝者、デイジー!」



あの日自分が王の家来にそうした様に、今度は自分が床に転がされた状態となっていた。
同期の連中が呆然とした表情で見つめる中、シルヴァは屈辱を味わった。
ただあの頃の自分との違いと言えば、目の前に立つ勝者の男は、高揚感も感慨も無さそうに、此方を見据えているだけだった。



デイジー・クルスは奇妙な男だった。




パルバナ出身と口にしていた通り、田舎特有の黄色の肌をしていたが、似合わない鮮やかな真紅の瞳が印象的だった。
自分の事を語ろうとしない同僚は別段デイジーが特別と言う訳ではないが、それにしても殆どの情報がデイジー・クルスに至っては無いに等しかった。









/88ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ