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ティア・リフレインに捧げる
第6章 その喘ぎは幼い肉筋に潜る指の動きに合わせて調律され……
 アレイオはもう何日もまともに睡眠を取っていない。

 それどころか、そのような衰弱しきった体で強行軍に継ぐ強行軍で姫を助け出してきたのだ。

 それを、帰りつくなり呼びつけられて、もうふた刻以上も同じ繰り言を、激しい罵声を浴びせ続けられているのだ。

 怒りの感情は実際に体を打たれる以上に人を弱らせる。

 それをよく知るエルフ族であるオルフィーンには、シヂのこの怒涛の面罵は常軌を逸した理不尽な拷問のように感じられた。

 たとえそれが人間族の社会ではよく見られる慣習なのであったとしても、今のアレイオにこれ以上の負荷は危険だ。彼には休息が必要なのだ。

「宰相様……とにかく、引き続き、今以上の体制を以て厳重に警戒にあたります。魔物どもがどうやって侵入したのかも調べる必要があります。今はこのぐらいで……」

「黙らんか便所紙!」
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