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ティア・リフレインに捧げる
第8章 下腹が淫らに湿り、愛撫をせかすように乳房を……
(では、あの光の柱は水面からの……)
見上げれば、遥か頭上はキラキラと輝く瞬きで覆われていた。
(逃れられる……?)
気泡は突き破ることができそうだ。
事実、今、指先は外の水中に出すことができた。
しかし、あの高さまで浮き上がることができるだろうか、息が続くだろうか?
そもそもティアは泳ぐことができない。
庶民のする川遊びとは無縁の子供時代を過ごしているのだ。
「ああ……」
絶望の吐息が漏れる。
己のなんと無力なことか。
少しでも自分に勇気があれば、少しでも逞しさがあれば、逃げ出すことも可能だろうに。
檻すら、番人すらない、縛りつけられてすらもない、このような脆弱な牢ですら抜けることができない自分のか弱さをティアは恨んだ。