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ティア・リフレインに捧げる
第10章 その腕の中で手折られるは一輪の花……
「クハハハハハ! そうじゃ! 我らの盟約は血よりも濃き穴兄弟! これからも儂に従えばこうして酒池肉林の宴を馳走してくれようぞ!」
その手の中で真紅の禍玉が光を放つ。
《――望め》
「カカッ! 望みのものは手に入れたわ! 姫も! 盟主の座も!」
《……ならば死ね!》
「なんじゃっ……」
内側から裂けるようにして、シヂの頭と胴の境目の肉が弾ける。
「……と?」
信じられないという顔のまま、引き千切れたシヂの顔が地に落ちた。
めりめりとその胴の中から真っ黒い影。服を脱ぎ捨てるようにシヂの肉から筋肉質の逞しい体が這い現れる。
それは、深紅の瞳を持つ漆黒の男だった。
「お……お……な、なんだ……お前は!」
あまりのことにに声もない諸侯。
次の犠牲者はファレゴットだった。