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ティア・リフレインに捧げる
第2章 引き裂かれた純白のドレスからのぞく柔肌は……
縄紐で緊縛されているわけではない。
だが、粘着性の不気味な糸は、彼女の背中にへばりつき、はがれることはない。
逃れようと体を動かせば、触れた部分が接着し、ますます自由を奪われる。
すでに何度ももがいた挙句、ティアの両腕両脚は、悪夢に寝乱れた姿の様に固定されてしまっていた。
一本一本は目に見えぬほど細いのに、織り重ねられて強靭な網となったこの蜘蛛の巣は、柔らかい檻とでも言うべき脱出不可能な牢獄なのだ。
それでも――それでもと、あきらめずに、体を揺すって自分を捕えた網を破ろうするティアの努力は、ただただ、彼女の白い肌を上気させ、着衣を乱す結果しか生み出さなかった。
ドレスから覗くピンク色に染まった肌、その上に浮かぶ、つぶらな星の瞬きのような汗の滴、そして荒い吐息。
それは「鑑賞者」を愉しませるだけだった。