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ティア・リフレインに捧げる
第3章 胎内に埋められた淫欲の火照りは鎮まることなく……
自国領に入った所に輿が用意されていた。
先行したチャウリンの報告を受けて、宰相が差し向けてくれたのだ。これなら領民が見ても不審に思われることはないだろう。
諸国連合の出鼻をくじくようなこの事件が公となれば士気に関わる。
自分が魔物にさらわれたことは極秘とされていることはアレイオから聞いていた。
「姫様、揺れは気になりませんか? お体に障るようなことがあればなんなりと申しつけ下さい」
輿の外からアレイオが気遣って声をかけてくれる。
「大丈夫です……ありがとう」
そう言って、ティアは輿についた窓のカーテンを払い、すぐ傍で鞍上の人となっているアレイオを見上げた。
「本当に……ありがとう。私の為にあんな危険を……」