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ティア・リフレインに捧げる
第3章 胎内に埋められた淫欲の火照りは鎮まることなく……
王女自ら必死に訴えられては宰相とてそれ以上の追求はできない。
不承不承ながらもシヂは矛を収めた。
「よいか、アレイオ……姫様に免じて赦すが……今後またこのようなことが起こらぬよう、ゆめゆめ警戒を怠るでないぞ!」
そう言い捨てて、宰相はその場を後にした。その後ろ姿を見送ると、アレイオはティアを見上げて言った。
「姫様……」
ありがとうございます。とは言わない。それを口にすればシヂの立場がない。
王女直属の親衛隊の隊長とはいえ、身分は一介の兵士である。責任感が強く、身分をわきまえるアレイオが続く言葉を呑み込んだのであろうことは、ティアにもわかっていた。
それでも良かった。
アレイオの為に何かをしてあげることができたのだ。
ティアは小さな満足を覚えた。