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ティア・リフレインに捧げる
第4章 浅黒い褐色の肌と、濡れたピンクの舌の淫猥なコントラストが……
あの二人。
その美貌と人品で遠国の民にまで評判の王女ティア、そしてかつて魔王を滅ぼした英雄アレイオ。
掌中のカリスマである二人を最大限に活かして諸国連合のリーダーシップをとり、そのまま世界の中心的存在へとのし上がってゆく。
それがシヂの思い描くこの国の進むべき道筋だった。
それゆえ、昨日のアレイオへの叱責は心からの怒りであったが、同時にアレイオもまた彼の大切な駒であり、ティア同様、とことんまで利用し尽くすつもりだった。
それは私心からのものでなく、老獪に宮廷政治を生き抜いて来た長年の政治的バランス感覚によるものだ。