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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
「そうですね。車だからついつい…」

「でも、ありがと…美味いよ。」

この時は家出カバンが起こす災いをアタシは知らなかった。

「山の中だからか、日が落ちるの早いな。」

「周りの様子もわからないですね。」

途中から砂利道に変わり、この道でいいのかと思うほど細い所もある。

「まあ、秘境だからな。」

「そうですね。」

アタシは窓に顔を付けて外を見るけど、脇の木々より奥は全く見えなかった。

「ルリ?」

ハルトの方を向くと手を差し伸べられる。

「ん…」

手を重ねるとグィッと引っ張られ、ハルトの肩に頭を乗せる格好になった。

「ちょっと怖いんだろ?」

「大丈夫です。ただ、本当にこんな山奥に宿あるのかと…」

「ちゃんとナビに載ってるし、大丈夫だよ。猪が待ってるからな。」

「出たらどうします?」

「連れてって鍋食べ放題になる。」

「っふふ…」

「ルリは猪食べたことある?」

「ないです。」

「まあ、熊と猿クリアしてるから大丈夫だろう。」

「ふへっ…そういう問題ですか?」

「たぶん。」

「しかし真っ暗だな。
夜中でもこんな暗くないぞ。」

「そうですね。星が良く見えるかもしれませんよ?」
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