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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
「背中流して…」

ハルトがボディーソープのボトルを渡してくる。

「ん、これは3段目だから…」

へっ…

ニマニマ笑うハルトを可愛いと思ってしまった。

ボディーソープを手に取り泡立てて体に塗る。

見計らったようにハルトがワタシの方に向きなおした。

「ハルト?」

「続けて、ルリがイヤらしく自分の体をまさぐるの見たいだけだから…」

「えっ…イヤらしくなんか…」


ハルトはこっちを向いたまま、顎で催促する。

言われて見られたら恥ずかしい。わかっててやるのがハルトなんだ。

ボディソープを取り泡を作る。その様子をじっと見られる。

出来た泡を体に置いたら次の泡を作る。
それだけのことなのに、 イヤらしい泡を自分で塗りつけている気分になってきた。

ハルトは黙って見てるけど、自分は恥ずかしくて真っ赤になってるのがわかる。

それを見てハルトは満足気に微笑むのだ。

「ん…」

ハルトが背中を向ける。

広い背中、肩甲骨を中心に拡がる筋肉、
腰に詰まるように引き締まるそれに美しさを感じると共に、逞しさを思い胸がキュンとする。

中学から女子校で父がいないアタシは、男性を身近に感じることはない。
それにしても背中を見るだけで欲情するのはおかしいのではないか…
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