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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
「かぐや姫は男たちに手に入れることの難しい宝を取ってきたものと結婚すると約束します。
時の帝がその宝を手にして求婚しました。」

「何だかスケールのでかい話だな…」

「ところが、かぐや姫は毎晩月をみて泣いています。
お爺さんが話を聞くと、かぐや姫は元々、月の人で次の十五夜、満月には月に帰らなければならないと言うのです。
それを知った帝は兵を集めてかぐや姫を渡さないよう手配しました。」

「宇宙戦争か?」

「いよいよ、満月の晩になりました。月の使いがきて、まばゆい光に包まれると、兵も帝も動けなくなってしまい、かぐや姫は月に帰ってしまうのです。」

「宇宙人だったわけだな。」

「かぐや姫は帝に置き土産をして旅立ちました。
帝を思って置いていった土産は『不死の薬』でした。
ところが、かぐや姫がいないのに永遠に生きていても仕方ないと帝は薬を捨ててしまいます。
捨てられた薬は山になりました。そして帝は高い山から、少しは近くなったであろう月を眺めたということです。」

「めでたし、めでたし…ではないな…」

「ハルトが最後まで起きているなんて珍しいですね。」

「ああ…悪い爺さんや婆さんが出なかったからな。」
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