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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
荷物を纏めて荷物用のエレベーターで下ろす。
女将さんに導かれて鶏小屋に向かった。
藁を敷き詰めた箱を用意してもらったがなるべく手で温めていた方がいいと言われ、ハルトが持って降りることになる。
「ごめんね。この卵はハルトさんのなの。」
女将さんが鶏の背を撫でながら卵をそっと抜き、ハルトの手に乗せる。
「温かい。」
「そうですよ。この温かさをずっと保たなければなりません。」
「大事にします。」
ハルトが真剣な眼差しで両手でしっかりくるむようにして卵を持った。
「じゃあ、駐車場までお見送りさせてくださいね。」
女将さんと共に階段を降りていく。
「転げ落ちた方が早いけど、転ぶなよ。俺は卵があるから助けられないから…」
振り返るともう宿は見えない。3泊もして我が家のようになっていたのに…
「さあ、お弁当ですよ。」
車に荷物を入れるからと卵を預かる。
女将さんからお弁当の入った紙袋を受け取り、いよいよ出発だ。
「とても楽しかったし美味しかった。」
「良ければまたいらしてくださいね。」
窓から手を振り別れを告げる。
見えなくなるまで女将さんは見送ってくれた。
女将さんに導かれて鶏小屋に向かった。
藁を敷き詰めた箱を用意してもらったがなるべく手で温めていた方がいいと言われ、ハルトが持って降りることになる。
「ごめんね。この卵はハルトさんのなの。」
女将さんが鶏の背を撫でながら卵をそっと抜き、ハルトの手に乗せる。
「温かい。」
「そうですよ。この温かさをずっと保たなければなりません。」
「大事にします。」
ハルトが真剣な眼差しで両手でしっかりくるむようにして卵を持った。
「じゃあ、駐車場までお見送りさせてくださいね。」
女将さんと共に階段を降りていく。
「転げ落ちた方が早いけど、転ぶなよ。俺は卵があるから助けられないから…」
振り返るともう宿は見えない。3泊もして我が家のようになっていたのに…
「さあ、お弁当ですよ。」
車に荷物を入れるからと卵を預かる。
女将さんからお弁当の入った紙袋を受け取り、いよいよ出発だ。
「とても楽しかったし美味しかった。」
「良ければまたいらしてくださいね。」
窓から手を振り別れを告げる。
見えなくなるまで女将さんは見送ってくれた。