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堕散る(おちる)
第27章 step27 二十一段目…初夏
母を対面にワタシとハルトが並んで席についていた。ハルトが何を言い出すかヒヤヒヤしていた。

「ん…美味しい。今度作ってもらって作り方教わろっと…」

んぐ…

付き合っていること、家に出入りしていることを隠すどころかほのめかす発言に、食事が喉につまる。

母もハルトもワインを飲んでリラックスしているのか、ワタシだけなのか、料理の味もしなかった。

食事中はほとんど料理の話で終わる。

「ごちそうさまでした。」

「うちには男の人がいないから、分量は足りたかしら…」

「ええ、十分満足しましたよ。」

テーブルを片付け珈琲を入れる。紅茶派のうちにはインスタントしかないのだけれど…

「では本題に入らせていただきましょうか…」

母が改まった口調で皮切り、いよいよ話になる。
ワタシが緊張して膝上で拳を握ると、ハルトが気付き、手を重ねてくる。

反対されたらどうしよう…マイナスなことばかり考えていた。

「つかぬことをお伺いしますが、その…娘とハルトさんは付き合っているのですか?」

母からのいきなりの直球に、思わずハルトの方を見てしまった。
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