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堕散る(おちる)
第27章 step27 二十一段目…初夏
「では、私からもストレートにお話しさせていただきます。
ルリさんを俺にください。」
ワタシも母もハッとしてハルトを見る。
「就職だけの問題ではないんです。仕事ももちろんそうですが、ルリの全てを欲しいんです。
就職すれば、泊まり込みの研修が1ヶ月ほどありますが、その後も社員寮などを完備している会社です。
だから、娘さんの生活全てを会社がサポートします。
ただ、俺が望んでいるのは、会社としてでなく、俺個人としてルリとずっと一緒に居たいのです。」
ワタシはぼんやりとした約束として考えていたことを、ハルトがこれだけはっきりと言い切ることに驚いた。
ただ、何も知らずに、進学でなく就職したい…とだけ聞いていた母には衝撃だったのだろう。
母が口元に運んだカップに口を着けないまま、カップはソーサーに戻された。
「それは…結婚ってこと?」
話すというより、呟くように放たれた言葉と、ワタシとハルトの間を往復する視線…
付き合っていることすら知らされていない母にはショックだったのだろう。
「今すぐにという訳ではありませんが、そういうことになるかもしれません。」
「なるかもって…」
ルリさんを俺にください。」
ワタシも母もハッとしてハルトを見る。
「就職だけの問題ではないんです。仕事ももちろんそうですが、ルリの全てを欲しいんです。
就職すれば、泊まり込みの研修が1ヶ月ほどありますが、その後も社員寮などを完備している会社です。
だから、娘さんの生活全てを会社がサポートします。
ただ、俺が望んでいるのは、会社としてでなく、俺個人としてルリとずっと一緒に居たいのです。」
ワタシはぼんやりとした約束として考えていたことを、ハルトがこれだけはっきりと言い切ることに驚いた。
ただ、何も知らずに、進学でなく就職したい…とだけ聞いていた母には衝撃だったのだろう。
母が口元に運んだカップに口を着けないまま、カップはソーサーに戻された。
「それは…結婚ってこと?」
話すというより、呟くように放たれた言葉と、ワタシとハルトの間を往復する視線…
付き合っていることすら知らされていない母にはショックだったのだろう。
「今すぐにという訳ではありませんが、そういうことになるかもしれません。」
「なるかもって…」