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堕散る(おちる)
第27章 step27 二十一段目…初夏
「ただ、」

「何でしょうか?」

「失敗しておいて言うのもなんだけど、自分を大事にして、同じように相手を大事にして欲しいわ。
ハルトさん、あまりルリを甘やかさないでね。」

「はい。」

ピイィ…

「あ、ぴよちゃん起きたな。ご飯か…
ちょっと失礼します。」

ハルトは席を立って鞄から餌を出し、餌箱に入れる。
ぴよちゃんはお腹が空いていたのか、ゲージから出せとも言わずおとなしく食べ始めた。

「ひよこはハルトさんが飼っているの?」

「いえ、育てているんです。旅行先で卵を譲ってもらって、孵すところから育ててるんです。」

「旅行ってゴールデンウィーク辺り?」

「はい…あ…」

「ルリも一緒だったのね。」

「はい…すみません…」

「いいわ、もう隠す必要もないし、嘘をつかれる方が嫌だわ。
学生として許せる範囲かどうか、これからは、きちんと事前に話してもらいたいわ。」

「わかりました。すみませんでした。」

ハルトに合わせてワタシも頭を下げた。

ピイィ…ピイィ…

「すみません、ゲージから出してやってもいいですか?下には下ろさないので…」

「いいわよ。」

ぴよちゃんはハルトの手のひらに乗って出てきた。
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