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堕散る(おちる)
第28章 step28 二十二段目…夏休み…入社試験
「お母さん、ワタシ今日ハルトに車で送ってもらったの…」

「あら…やだ、じゃああがってもらえば良かったのに…
ハルトさんから直接話を聞けたのに…」

「そうじゃなくてね。
その、見ちゃったの…
お母さんが車で送られて帰ってきたところ…」

「あ…あら、そう、仕事が遅くなったから、会社の人に送ってもらったのよ。」

母は食事を済ませてきたって言ってた。
仕事はそうしたら、そんなに遅くはない。

「そうなんだ…」

「ルリ、いつからいたの?
ハルトさんの車、なかったと思うけど…」

「お母さん達よりちょっと後、ちょうど止めようとしたら、家の前から車が出るのをみたから…」

「そ、そうなの。車が出た後ついたのね。」

「うん…」

本当はお母さんが車から降りて、男の人に抱き締められていたのを見たけど…
お母さんが気にしていて隠したがっているから言えなかった。

「遅くなったから、ルリが先に帰っているかもと、車で送ってもらったのよ。」

「会社の男の人に?」

「ええ…通り道だって人がいたから…」

男の人って言った時にお母さんがビクッとした。
やっぱり隠したいんだ。
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