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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「着いたよ。」

「大きなお屋敷…」

「ああ…」

無人のまま門扉が開き、玄関が開いた。

玄関前に車を横付けしルリと降りる。そっと腰に手を添えてルリを誘導した。


「ようこそ、我が館へ。」

「は、初めまして…」

挨拶も忘れるほど驚いた。出迎えたその人は、何も身に付けていなかったから…

ハルトも家の中では裸で過ごすが、この人も…

しかも後ろには1人メイドさんがいる。裸の王様…
まるで服を着ているかのような普通の反応にこっちが恥ずかしくなった。

「綺麗な普通のお嬢さんじゃないか。」

「そうだよ。俺の女だ。」

「『俺の女』…ね。
じゃあ君、そのバックには何が入っている?」

「あの…携帯や貴重品が入っています。」

「それは要らない。その男に持って帰ってもらって、
そして身に付けているものもすべてここで外して、ここでは何も要らないから。」

「ここで脱ぐんですか?」

「ああ、これを被って中で脱げばいい。」

裸の王様は控えていたメイドさんの持つ籠から布を取り出す。

以前、天使たちが纏っていたような、布の中央に穴の開いたものだった。

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