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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
そして初サウナに一緒できなかったことを残念がるだろうか…
少し申し訳なく思った。

王様がブラインドを開けるとそこにテレビがある。
部屋にはなかったのに…

スイッチを入れるとチャップリンの喜劇が始まる。
無声映画だった。
王様はそれを見てゲラゲラ笑う。
ワタシもつられて笑っていた。

そして、王様にある共通点を見いだした。

「お部屋の音楽も、本も、この映画も、タイトルすらなかったり、言葉がないものばかりなのは、何か意味があるんですか?」

「ハハッ…ん?
君は本当に賢いね。
見て、聞いて、いいものはいいと感じればいいからさ。

タイトルがわかったら先入観が入るだろう?
言葉があればいらない情報が入ってくるだろう?
そういうものを無くして、動物でも楽しめるものが、いいものだと思うから…」

「はぁ…凄いですね。」

「だから、音楽も映像も本棚もたまにメイドがシャッフルするよ。
だから、本棚の中にお気に入りができたら教えてくれ。シャッフルしないように印をつけるから。」

「あ…はい、わかりました。」

後半の話には返事したけど、崇高な王様の考えは理解できなかった。
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