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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「午後は乗馬を楽しもう。」

また、王様の手が差し伸べられる。

もう繋がなくてもついて行くのに…

いや、王様が手を繋ぎたいのかな…

少し考えて、手に手を重ねると王様が微笑む。

やはり、王様が手を繋ぎたいんだ。

出来ることで王様の気持ちに応えることに嬉しく思った。

ワタシは知らないうちに王様に上手にコントロールされていることに気づかないで、徐々に堕ちていったのだ。

庭に出ると皆に会釈される。それも昨日は緊張して萎縮したけど今日は慣れていた。

「今日はチョコレートに乗ってみようか。」

王様が言うには、チョコレートはオスで馬身が高いのと、走りが力強いので昨日はやめたらしい。

ワタシは踏み台に登りチョコレートに跨がった。確かに少し高い。

王様が乗ってきて、いきなりお腹に手を回してくる。またドキドキとしてワタシは違うことを考え始めた。

「でも気性はスノーより優しいんだ。前に体を倒してチョコレートの首にしがみついてごらん。」

ちょっと怖いけど王様の言う通りにしてみる。

「あ、温かい。」

ワタシはチョコレートの首に腕を絡ませて、鬣に頬をつけた。
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