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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
温かさと同時に、こんな自分が情けなくなってきて涙が出てしまう。
王様に泣いていることがバレてしまう。
かといって、涙が止まることはなかった。

「ホームシックか?寂しくなっちゃったか…
俺がずっと一緒にいるのになぁ。」

あやすように背中をトントンと叩かれた。

「違っ…」

ワタシは王様に抱き着いて背中に手を回した。

王様のせいで泣いてしまったわけではない。一緒にいるのに寂しいわけじゃない。
そう返事することが出来なくてすがりついてしまった。

王様は約束通り、何もしない。でもさっきからお腹に当たるものを感じるけど、優しく包んでくれているだけだ。

ワタシはずっとしがみつくようにして顔を埋めていた。
王様の手はトントンと叩いたり、撫でたり、たまに髪を鋤くようにしながら頭を撫でる。

それに安心して力も抜けて、涙も止まった。

謝るのでなく、何かお礼の言葉を…

考えているうちに眠りに落ちた。
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