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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
思わず顔が合ってしまうと、メイドが視線を反らす。

「おや、訴えるとか言っていなかったかな?」

メイドは俯いたまま無言だった。

テーブルを拭いて回り、掃除機をかける。その間、王様もメイドも無言だった。

全ての作業が終わりメイドが王様側のソファーの脇に正座した。

「昨日は大変失礼しました。」

それは王様の台詞だろうと思うようなことを言った。

「わかればいい。俺も昨日言ったことは取り下げよう。」

「それは…、私が旦那さまから提示された3つのうちどれを選んだかのお返事をさせてください。」

「そんなの裸でないお前がここにいるだけで、メイドをしながら無難に特別手当てを狙っているとわかるだろう。」

『女ってズルくてしたたかな生き物…』

昨日の王様の言葉を、そして『明日が楽しみだ』と言っていたことを思い出した。

「あ、申し訳ございません。」

「それで早速今日も手当てをもらいたい…
というのが用件か?」

メイドは黙って俯いた。

「いいだろう。ただ、いつも簡単に相手してもらえると思うなよ。」

「かしこまりました。」

本当に昨日と同じ女性なのだろうか、疑いたくなった。
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