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堕散る(おちる)
第16章 step16十段目…二人きりの休日
昆虫観察…

蟻を透明箱に入れて、巣作りの様子を見る。

ガラスにカタツムリを這わせて、裏側から見る。


蟻もカタツムリも見られているとは知らずに一生懸命だ。

アタシは、ハルトの手中にあると知らず淫らになっていた…


知らないとはいえ、淫らなアタシ…
そうまでしてアタシを見るハルト…

どちらも普通じゃない…


料理も、ブランコも知らない、在り来たりの日常生活もない、会話も生きる最低限しかない…

生きることすら、奪われそうな環境で、命をつなぐことだけで大人になったハルトに普通を求めてはいけない…


観察対象でもよい…
弄ばれても…

何があっても一緒にいる。アタシはまた決意する。




「ルリ?つまらない?」

「いえ、恥ずかしいだけです…」

ハルトはアタシが上の空なことを敏感に嗅ぎとった…

いけない、全身でハルトに向かわなければ…


画面のアタシは陰部をガラスに擦りつけていた。
自分の淫らな芯の部分を見たことがない…
気持ち悪い…見た目も、そして、イヤらしさも


「ハルト…男の人は自分の恥ずかしい部分を見るの気持ち悪くないんですか?」
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