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堕散る(おちる)
第5章 step5過去
「そんな時に俺の父親だって男が現れた。

その当時一番カラダ繋げてたって男がね

俺は最初喜んだ。父と呼べる人ができて、家族で食卓を囲む。そんな普通の暮らしができるんだって…

男は事業に失敗して、妻子に逃げられ、うちに転がりこんできただけだった。

それでも良かった。
日中、父親とアイツの喘ぎ声に変わるだけでも…

色んな男がアイツのカラダを欲しがってうちに上がり込むことがなくなったから…

そんな平和な時間なんて続く訳がなかった。

男は働く気なんてなかったし
店のアガリで暮らしていけるわけがない。

何よりアイツのカラダが沢山の男を欲しがっていた。

しばらくするとアイツの帰りは朝方になってきた。

父親は寛大な男だった。
文句一つ言わず、アイツがカラダで稼いだ金で、アイツが店に出る時間、若い女を抱いた。

またうちは四六時中喘ぎ声のする場所になり、俺は寒い日も女が帰るまで外に立たされた。」

ルリを撫でながら続ける。
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