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堕散る(おちる)
第19章 step19十三段目…始業式
「早く働いて母を楽にさせたいとは思ってるんですけど、具体的には何も考えてなくて…」

「ふうん、俺の会社、高卒でも入れるから、もし、他にあてがないときは言ってね。」

「資格とか必要ないんですか?」

「ああ、俺と全く同じ仕事ではないけどね。
サービス業全般だから、ルリに出来る仕事も沢山あるよ。」

「ハルトと一緒の会社に入れたら嬉しいです。」

「じゃあ、一応考えておいてね。
そろそろ帰ろうか」

ハルトが立ち上がるので慌ててついていく。

腕を組んで歩きたいと言えず後ろを歩く。

「ん」

ハルトが振り向いて手を出してくる。

「手」

手を伸ばすと掴まれ繋いでくれる。

「ちゃんと家まで送るから」

ぶっきらぼうに言うハルトが可愛かった。

「学校とか良くわからないからさ、
無理せず来れない時はメールくれればいいから。」

「はい、でも毎日会いたいから出来るだけ行きます。」

ハルトがアタシのことを考えてくれるのが嬉しくて、繋いだ手を握る。

「ん」

暗くて見えないけど、ハルトが照れて赤くなっているように思えた。

すぐに家に着いてしまう。やはり母は帰っていなかった。
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