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堕散る(おちる)
第21章 step21十五段目…愁秋
扉まで連れていき、押し出した後、中に入る。

そしてアイツに電話した。


「今帰したよ。
残念ながら僕の女には成らないそうだ。」

アイツが嬉しそうに鼻で笑った。

「ハハッ…僕を笑うとはいい度胸だ。」






トモヤさんの体の話から、女性の話まで聞かされた。

作り話ではないか?
本当の話なら恐ろし過ぎる。

それまでは、何もかも忘れてイキたいという思いだったけど、
一気に正気を取り戻した。


逃げなきゃ、ハルトのところに帰らなきゃ。
ハルトの名前を出すとまた叩かれたが、それだけで済んだ。


縄で縛られたまま、括られた手の上からコートを着せられて部屋を出された。


胸は半分見えてしまっているし、裾もなんとか隠れているが、ボタンの間から見えているのではないか…


急いで戻らなきゃ人に見られてしまう。
それなのに、長く縛られた足は言うことをきかず、
2本の蛇が刺さったままで、思うように歩けない。

歩けば、蛇が足りない刺激を発する。

アタシは朦朧としながらも、必死で歩いた。


ハルトの部屋までが凄く遠く感じる。

イキたい、イッチャいけない、歩かなきゃ、
自分に言い聞かせながら歩く。
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