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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
互いに体を洗いあい、湯船に浸かる。

ザブーンと湯が溢れるとルリは勿体ないという。

「王さまみたいでいいじゃん。」

「どうしてそこで王さま気分になれるかわかりません。」

ルリが口答えする。

頭を押さえて湯に潜らせると、何だか手を組んで水を飛ばしてきた。

「何それ。」

ハルトが水鉄砲に食い付く。お風呂も小さい頃から一人で入っていたのかもしれない。

手の組み方を説明しながら見せる。

ふうん…

ピシャ…ピシャ…

最初はぎこちなく、あちこちに水が飛んでいたけど、コツを掴んで勢いよく飛ばしてきた。

狙いを定めて思い切り顔にかけたりする。

「教えなければ良かったです。」

わざと乳首を狙うハルトに言った。

ハルトはアタシの言葉を無視しておかしな所ばかり狙ってきた。

「あー、長湯したらのぼせちゃうな。」

「そんなに長湯でもないですよ?」

「いやほとんど湯に浸からず、シャワーだから…」

「毎日ザブーンって王さましてるんじゃないんですか?」

「いや?」

「お湯が勿体ないとか?」

「いや、浸かるのが面倒…」

ハルトらしい返事だった。

「でも冬場は入って温まったほうが、疲れもとれるし、よく眠れますよ?」

「わかった。遊びも覚えたしこれからは浸かるよ。」
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