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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
「昼ご飯は行くとこ決めてるんだけど、ルリ食べれないものなかったよね。」

「はい。」

タワーの中の店をみて降りていく。

面白いものを見つけ手を引かれたり、肩を組まれたりとドキドキする。

外に出掛けるのも楽しいとハルトも思っているだろうか。

一通り見ながらタワーをあとにした。

「次は誘惑に負けずに街を歩かなきゃだよ。」

ハルトに手を引かれて歩いていく。

街一帯が異国に来たようだった。

「おネエサン…クリ…オイシイヨ…アマイヨ…アツイヨ…」

「ニクマンイカガー」

「ウラナイシテカナイ?ヨクアタルヨー」


歩道にまではみ出したワゴンやカウンター、さらに出てきて、腕を掴む勢いで寄ってくる店員。

寒さなど関係なく活気づいた街だった。

連れて行かれそうになるとハルトがガードしてくれる。

「ルリ、どうしても寄りたい店があったら覚えておいて、食後に来るから…」

よほど目移りしてフラフラしているように見えるのだろうか…
念を押すように言われてしまう。


「ここに寄ろう。」

言ったそばからハルトが店に入る。

「ねぇ…この子に合うドレスを選んでよ。」


「ハルト?
もういいですよ…」
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