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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
「ハルト?やめましょう?」

「いや、別れたいから昇る。」

「え…?」

「今日昇る奴はそんな覚悟で来てるんだよ。」

「そんな…」

どんどん抜けて列が短くなっていくが、そんな日に登りたくない。

最初抜け出したカップルは、ハルトに確認するように覗いて抜けていったが、

今は伝言ゲームで広まっていき震源地がわからない。

「ハルト…」

列が半分以下になりすぐに順番がきそうだった。

抜けれなくなっちゃう。
アタシはハルトの肘を引っ張るが、ハルトはアタシを引っ張っていく。

『地上…メートルの展望台まで最速エレベーターでご案内致します。』

とうとう乗ってしまった。


「ずいぶん早く乗れたね。」

同じエレベーターの人はハルトの話が届かないか、震源地と知らない人たちだ。

『ポーン…展望台に到着しました。』


「ハルト…別れてもいいと思ってるんですか?」

悲しくなって聞いてみる。

「嘘だから…」

ハルトが耳元でいう。

「ジンクスの話、作り話だから…」

「へっ?」

「並ぶの面倒だから…」

「はい?」

ジンクスより恨みでどうにかなりそうだ。


「信じたやつが悪い。」

平然というハルト…
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