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背後偏愛サロン
第2章 渇き
 その感触から、スリムな感じの比較的若い男性の姿が、詩織の脳内に形作られていく。
 その男性の眼は、若さだけが持つ、女体を見境なく射抜く荒々しさを帯びている。
 詩織は、視線で背後から子宮を貫かれたような気がした。

 男性の大きな手が、タイツに包まれた詩織の内ももに掛かり、少し脚を開かされる。
 前回の男性のように――股間に触れられるのだろうか。

 しかし男性は、脚を開かせただけで股間には一切触れてこなかった。
 尻や、内ももをいつまでも愉しむようにじっとり撫でている。
 もしかしたら若い男性ではなく、女体に慣れた、歳を重ねた男性なのだろうか?

 男性の爪が内ももを軽く引っ掻いた。
 ――ん……ぁぅ……
 内ももが甘くしびれ、勝手にふるるっ……と痙攣する。
 詩織は脚を閉じたくなった。
 恥ずかしいからではない。
 閉じて、太ももをこすり合わせて、少しでもいいから股間に――刺激が欲しくなったのだ。

 また男性の爪が内ももあたりの繊維をなぞる。
 声が、漏れ出そうになる。
 感じて、声を漏らして聞かれるわけにはいかない。それは避けたい。

 なのに、そう思えば思うほど――
 秘宮の奥にある牝の芯がうずいてくる。
 そして少しずつ、熱い雫が奥から染み出してくる。
 やがて、男性の手が詩織の身体から離れた。

 ……ハァッ……ハァッ……

 男性はスカートを上げて尻が丸見えになった詩織の後ろ姿を、じっと眺めて愉しんでいるのだろうか?
 身体に触れられるよりも、恥ずかしい。
 風貌も年齢も分からない、どこの誰だかも分からない男性に――。
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