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背後偏愛サロン
第2章 渇き

 ……ハァッ……ハァッ……

 彼は今、詩織の後ろ姿を見ながら何を妄想しているのだろう?
 ――私の……身体で……
 ――私の……
 身体が、熱い。
 その時、突然詩織の股間に、細かな甘い振動が流し込まれた。

 「ん……っ……!!」
 不意に襲ってきた股間の振動に、思わず詩織は脚を閉じ、声が漏れないよう口を押さえた。
 振動はタイツ越しに正確に詩織の肉芽をとらえ、次々甘い電流を浴びせかけてくる。
 ――ああっ……!
 ――そんな……っ……!

 棒状のようなものの先端が当てられていて、振動しながらこねくり回すように動いている。
 指ではない。機械的な何かだ。
 強制的に揺さぶられる腹の芯が、悦びに震え出す。

 ――何これ……!
 ――だめ……
 ――こんなのだめ……!
 体験したことのないような刺激が、詩織を惑わせる。
 ――こ、こんな、待って、
 ――これ、
 ――なになになに……!

 詩織は呼び鈴の紐の方へと手を伸ばした。
 が、詩織がつかんだのは目の前の手すりだった。
 脚がかくかくと震えて力が抜けていく。

 もう一方の手でも手すりをつかむ。
 両手で何かにつかまっていないと、この場で倒れ込んでしまいそうだ。
 倒れ込もうものなら、顔を見られてしまうかもしれない。
 手すりは、このために付けられていたのか――?
 詩織は両手と両脚にしっかりと力を入れて踏ん張った。

 ――カズくん……
 ――ごめんなさい……っ……
 ――裏切る気持ちなんて全然ない……
 ――私はただ……
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