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背後偏愛サロン
第3章 誘い
詩織はイタリアンを用意した。生ハムのサラダにモッツアレラチーズとフルーツトマトのカプレーゼ、フォカッチャ、仔牛ロースのグリル、そしてペペロンチーノとカルボナーラの二種類のパスタを作った。
全部、手作りだ。
「あとでカタラーナあるからね」
詩織はほほ笑みながら、和真の前にワインボトルを置いて言った。
「かたらーな?」
愛海は詩織ではなく、和真の方を向いて聞いた。
「ん……デザートだよ」
和真が愛海を見ずに答える。
「どんなの?」
「え……どう言ったらいいかな……」
愛海と和真が問答している間、詩織はそれとなく和真を見続けていた。
やっぱり――
少し和真の様子が変だ。
いつもなら、すぐにでも説明したがるのに。
それだけではない。どこかそわそわしているような気がする。
夕方、買い忘れた食材を仕入れに詩織が一人でスーパーへ行き、戻ってきてからだ。
愛海がテーブルにつくと、詩織も座った。
和真が愛海のグラスにブラッドオレンジジュースを注ぐ。
「あー、あたしもワイン飲みたい!」
「女性は酒を飲むべきじゃないんだ」
和真はそう言いながら、詩織のグラスにもジュースを注ごうとした。
「あ、……たまには詩織も飲む? お祝いだから」
和真はあごでワインボトルを指した。
結婚してから、詩織は一度もアルコールを飲んでいない。
祝いごとなど他に何度もあったのに、だ。
詩織はゆっくり首を横に振ると、和真はそのままジュースを詩織のグラスに注いだ。
全部、手作りだ。
「あとでカタラーナあるからね」
詩織はほほ笑みながら、和真の前にワインボトルを置いて言った。
「かたらーな?」
愛海は詩織ではなく、和真の方を向いて聞いた。
「ん……デザートだよ」
和真が愛海を見ずに答える。
「どんなの?」
「え……どう言ったらいいかな……」
愛海と和真が問答している間、詩織はそれとなく和真を見続けていた。
やっぱり――
少し和真の様子が変だ。
いつもなら、すぐにでも説明したがるのに。
それだけではない。どこかそわそわしているような気がする。
夕方、買い忘れた食材を仕入れに詩織が一人でスーパーへ行き、戻ってきてからだ。
愛海がテーブルにつくと、詩織も座った。
和真が愛海のグラスにブラッドオレンジジュースを注ぐ。
「あー、あたしもワイン飲みたい!」
「女性は酒を飲むべきじゃないんだ」
和真はそう言いながら、詩織のグラスにもジュースを注ごうとした。
「あ、……たまには詩織も飲む? お祝いだから」
和真はあごでワインボトルを指した。
結婚してから、詩織は一度もアルコールを飲んでいない。
祝いごとなど他に何度もあったのに、だ。
詩織はゆっくり首を横に振ると、和真はそのままジュースを詩織のグラスに注いだ。