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背後偏愛サロン
第3章 誘い
(2)
「ふぐぅ……ぅぅ……っ……!」
真紅のビロードのカーテンに顔を通し、口にハンカチタオルを押し込んでいる詩織は、また襲ってきた衝撃にくぐもった悦びの声を漏らした。
パシイッ……!!
「んぐっ……!」
妖しく琥珀色に輝く『サロン』の小部屋に、乾いた音と詩織のうめき声が響き渡る。
男性がまた、その大きく開いた手で、むき出しの詩織の右尻を叩いたのだ。
節くれだったその手は、詩織の尻を叩いてもすぐには離さず、そのしびれを全身に送り込むかのようにじわじわと尻肉をもみほぐす。
痛いはずなのに、甘い毛むくじゃらの波紋が詩織の身体の内側をこすりながら広がっていく。
全身が勝手にゾクゾクと震え上がる。
こんな感覚は、初めてだ。
詩織は今日も、スカートをまくられ、ショーツとタイツをひざ上まで中途半端に下ろされ、透き通って薄く青い血管が浮かぶ白い尻をむき出しにさせられていた。
しかし、今日はそれだけではなかった。
上半身はやや前かがみになって、少し後ろに尻を突き出すように、そして脚は少し広げさせられている。
倒れてしまわないように、詩織の腰には天井から伸びているロープが巻きつけられている。そのロープは、尻が丸出しになるようにコートとスカートの裾をまくったまま固定する役割も果たしている。
さらに、詩織の両手首は手すりに掛けられた手錠に繋がれていた。
もちろん『会員』の男性は詩織の顔を見ることなく、カーテンの後ろから器用に手錠を掛け、腰にロープをくくりつけた。
拘束そのものが目的ではないのだろう。詩織の身体が不意に転んで、相手に顔を見せてしまう『事故』を防ぐ意味合いのものだと思う。