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背後偏愛サロン
第4章 放ち
 この唐突な質問にどう反応するだろうか?
 和真の性格を考えれば、どんな反応をするかで詩織の知りたいことが分かるはずだ。

 待っていたとばかりに「詩織の方こそやましいことはないか?」と切り返してくれば、愛海との関係は分からないが、少なくとも『サロン』のことは知っている。
 全くうろたえもせず冷静に「突然何だよ?」とでも答えれば、『サロン』のことを知らないどころか、愛海との『関係』もないだろう。全て詩織の気のせいだ。
 必要以上に言葉数が多かったり、平静を装おうとする素振りが見えたならば、愛海との『関係』はあるが、『サロン』のことは知らない。

 詩織は和真の反応を見ていた。
 『サロン』のことを知られていたら最悪だ。
 そうではなく、全て詩織の気のせいであれば何もかも元のさやに収まる。
 しかし今の詩織は、そう望んでいなかった。
 むしろ、そうであって欲しくない、とさえ思っていた。

 やがて和真は、笑い声まじりに言った。
 「ま、あまり深く考えるなよ、僕だって早く出て行きたいだろうと思って一緒に部屋決めてきたんだよ? ……とはいえ、詩織も何かと負担だろうし僕からも話してみるよ……どうせひと月もしない内に大学始まるんだから、そうなったら愛海ちゃんも出て行くだろうけどね」

 和真の折り上げた鶴は、他人の目には綺麗な折り鶴に見えただろう。
 しかし詩織には、和真が折る鶴としてはかなり不出来なものだということがすぐに分かった。
 詩織は、口元に薄笑いを浮かべた。

 その時、スウェット姿の愛海が入ってきた。
 「シオリ姉ちゃん、上がったよぉ」
 「私今日なんか疲れてて……明日の朝入るわ」
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