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背後偏愛サロン
第4章 放ち
男性用トイレに一人で入る――
詩織は足がかすかに震え出していることに気づいた。
しかしそれは、怖さから来る震えではない。
男性用トイレなど一人で入れるわけがない、というためらいもすぐに消えた。
あるのは、これまで感じたことのない期待感と高揚感だった。
それが強すぎて足が震えているのだ。
詩織はスマホの画面をずっと見つめたまま、合図のメールを待った。
一分。
二分。
三分。
メールは、来ない。
詩織は少し不安になってきた。
もしかしたら誰かのいたずらメールだったのでは?
詩織はさっき受け取ったメールの差出人アドレスを確認した。
約束している『会員』のメールアドレスに間違いはない。
その時、画面にメール着信を示す通知が出た。
急いで開いて中身を確認する。
今です。
急いで3階まで。
それだけ書かれていた。
詩織は、早足でエレベーターの方へ向かった。
指示された通り、三階まで昇る。
降りるとそこはレストランフロアだった。
懐石料理の店と、中華料理の店の二つの看板だけが見えた。
反対側を見ると、少し先に男女両方のトイレの入口が見える。
周りには、誰もいない。
詩織はできるだけ平静を装って歩いた。
男性用トイレの前まで来る。
さすがに、実際に目の前まで来ると足が思うように進まない。
もし、今入っていって誰かいたらどうするのか?
耳をすませてみるが、静かすぎて誰かがいるのかどうかも分からない。
――人がいたら……
――間違えました、と言って出よう。
詩織は意を決して男性用トイレに入っていった。
詩織は足がかすかに震え出していることに気づいた。
しかしそれは、怖さから来る震えではない。
男性用トイレなど一人で入れるわけがない、というためらいもすぐに消えた。
あるのは、これまで感じたことのない期待感と高揚感だった。
それが強すぎて足が震えているのだ。
詩織はスマホの画面をずっと見つめたまま、合図のメールを待った。
一分。
二分。
三分。
メールは、来ない。
詩織は少し不安になってきた。
もしかしたら誰かのいたずらメールだったのでは?
詩織はさっき受け取ったメールの差出人アドレスを確認した。
約束している『会員』のメールアドレスに間違いはない。
その時、画面にメール着信を示す通知が出た。
急いで開いて中身を確認する。
今です。
急いで3階まで。
それだけ書かれていた。
詩織は、早足でエレベーターの方へ向かった。
指示された通り、三階まで昇る。
降りるとそこはレストランフロアだった。
懐石料理の店と、中華料理の店の二つの看板だけが見えた。
反対側を見ると、少し先に男女両方のトイレの入口が見える。
周りには、誰もいない。
詩織はできるだけ平静を装って歩いた。
男性用トイレの前まで来る。
さすがに、実際に目の前まで来ると足が思うように進まない。
もし、今入っていって誰かいたらどうするのか?
耳をすませてみるが、静かすぎて誰かがいるのかどうかも分からない。
――人がいたら……
――間違えました、と言って出よう。
詩織は意を決して男性用トイレに入っていった。