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背後偏愛サロン
第4章 放ち
 タイツで覆われているはずの脚のつけ根に、すうっと空気が触れる。にもかかわらず、太ももやすねにはそれを感じない。
 その時、男性の指先がショーツ越しに秘部をなぞった。
 タイツの感触がない。
 ――タイツ……
 ――真ん中だけ破られちゃったの……?
 さっきの大きな音はそれだったのだ。固く小さいものの感触は、ハサミか何かだったのだろう。

 男性の指は、触れるか触れないかの強さでショーツの真ん中をゆっくりと往復している。
 ――ああっ……
 ――そんなっ……
 詩織の秘宮の奥で、じわりじわりと情欲の蜜がひとしずく、またひとしずくと搾り出されていく。

 やがて太い指は、固くなりつつある肉芽のあたりをしつこく回し始めた。
 布地越しに伝わってくるそのかすかな振動は、詩織にとって、もはや激しい電流だった。
 「ふぶ……ぅ……んぶ……」
 詩織は固く目をつむったまま、勝手に漏れ出ようとする声を抑える。
 口の中のハンカチタオルが唾液を吸い取り、どんどん湿っていく。
 腰はひくつき、ひざがかくっ……かくっ……と震えている。

 いつしか、詩織は身体を支えるために両手を伸ばして前の壁についていた。
 手をつくと自然にやや前かがみになり、尻を突き出す格好になってしまう。

 ――ああ……
 ――こんなとこで……
 ――タイツ真ん中だけ破られて……
 ――顔も分からない男の人にお尻差し出してる……

 詩織は、後ろから見た自分の今の姿を想像した。
 また一滴、秘宮にしずくが落ちる。
 そして肉壷の奥から静かに流れ出る。
 頭の中が、熱くぼうっ、としてくる。
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