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人魚男子。
第5章 スタンド・バイ・ユー
「おかえりー、クレイド。遅かったじゃなーい。『ハイパーロボット・アイリーン』終わっちゃったよ?」
「あっ、しまった……。録画し忘れたな」
「DVD出るじゃない。再放送もあるし」
城に戻ると、少年が出迎えて王子様と親しげに言葉を交わしました。
(あ、あのときの……)
確か、リアディが王子を助けた日に砂浜にやってきた少年です。ヴァトリエと呼ばれていて、王子様とは特別な関係であるようでした。
リアディは、密かに口唇を噛みます。
主従関係ではないようですし、いったい二人はどういう関係なのでしょう。
「ところで、その人は誰なの、クレイド?」
リアディに気づいた少年に尋ねられて、王子様は答えます。
「浜辺に倒れていたんだ。いろいろ事情があるみたいだが、どうやらしゃべれないらしい。僕の嫁のらみちゃんにそっくりだったからつい、拾ってきてしまった」
「そっか。本当に似てるね」
ヴァトリエはリアディを覗きこんで、名乗りました。
「僕はヴァトリエ。王子とは、学生時代にアニメ研究部で意気投合した仲です。『城内ニート同盟』っていうサークル名でコミケにも出てます。よろしくね」
どうやら、恋人ではないようです。
リアディはちょっとほっとしましたが、さっきちらっと耳にした「僕の嫁」という言葉がひっかかって、百パーセント安心したわけではありませんでした。
「あっ、しまった……。録画し忘れたな」
「DVD出るじゃない。再放送もあるし」
城に戻ると、少年が出迎えて王子様と親しげに言葉を交わしました。
(あ、あのときの……)
確か、リアディが王子を助けた日に砂浜にやってきた少年です。ヴァトリエと呼ばれていて、王子様とは特別な関係であるようでした。
リアディは、密かに口唇を噛みます。
主従関係ではないようですし、いったい二人はどういう関係なのでしょう。
「ところで、その人は誰なの、クレイド?」
リアディに気づいた少年に尋ねられて、王子様は答えます。
「浜辺に倒れていたんだ。いろいろ事情があるみたいだが、どうやらしゃべれないらしい。僕の嫁のらみちゃんにそっくりだったからつい、拾ってきてしまった」
「そっか。本当に似てるね」
ヴァトリエはリアディを覗きこんで、名乗りました。
「僕はヴァトリエ。王子とは、学生時代にアニメ研究部で意気投合した仲です。『城内ニート同盟』っていうサークル名でコミケにも出てます。よろしくね」
どうやら、恋人ではないようです。
リアディはちょっとほっとしましたが、さっきちらっと耳にした「僕の嫁」という言葉がひっかかって、百パーセント安心したわけではありませんでした。