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その瞳に…
第24章 嫌悪と恐怖
ぐちょぐちょと、他の人に音が聞こえそうな位に、舞奈の中をかき回しながら渡辺は、そっと舞奈の耳元で囁く。

「文化祭前にあった時より更に色っぽくなって、俺触るの我慢出来なくなっちゃった。でも、こんなに濡らしてるから、舞奈ちゃんも喜んでるって事だよね…きもちいい?」

え?と舞奈は渡辺の始めの方の言葉に、反応する。

(文化祭の前…?)

グチュ!?

(っあ!?)

指を二本に増やされ、更に倍増した快楽に耐えながらも、舞奈は必死で先程の渡辺の言葉を巡らせる。

「この間は、胸少し触っただけだったしね。今回はもっと気持ち良くしてあげるから」

舞奈はその言葉に、公園での事を思い出し、血の気を引かせる。

公園で襲われた時、恐怖で相手の顔を少しだけしか覚えていなかった舞奈は、自分の足元にいた男性の顔が今目の前にいる人物だと、ハッキリと思い出した。

(あの…時の…)

舞奈は、絶望した表情で渡辺を見上げると、渡辺はニッコリと笑みを浮かべた。

「思い出した?俺は文化祭ですぐ舞奈ちゃんて解ったのに、覚えてないなんて酷いや」

明るくニッコリと笑う渡辺に、舞奈はこの男が何を考えているのか解らなくなる。

「まあ、また会えたし、思い出してくれたみたいだからね。今からするのはお礼ね♪」

そう言い、渡辺は止めていた指を、また激しく動かし始めた。

「ん!?」

思考が止まっていた舞奈は、突如始まった動きに、ビクンと体を反応させる。

「お礼だから、ちゃんと気持ちよくなってね♪」

怪しげに笑い囁く、渡辺。

舞奈はそれに恐怖を感じながらも、快楽を感じてしまう自分に絶望する。

(やだ…こんなの…嫌なのに…)

「う…っ…」

激しく刺激される舞奈の体は、その快楽に体を震わせ始める。

「やぁ…」

舞奈は、感じる体に力を入れ、絶頂を迎えない様に、脳に意識を持っていく。

しかし、渡辺の指はなおも的確に、舞奈を刺激し、舞奈の絶頂を段々近づかせる。

快楽に段々抗えなくなっていた舞奈は、次の駅に付くアナウンスが車内に流れだし、それに希望を持った。

次の駅は、舞奈が寄りかかっている扉が開く。

しかも停車駅は、啓介が働いている『エゴイスト』の最寄り駅だった。


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