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その瞳に…
第34章 楽しい夜
 (それだけ、仲が良いって事なのかな?)

 普通に素を見せる大河を見て、舞奈はクスっと笑いを溢してしまう。

 「ほら!大河がそんな態度とってるから、舞奈ちゃんが呆れて笑ってんじゃん!」

 「これは、君がバカっぽいから笑ってるだけなんだろう」

 二人の口論はどんどんヒートアップしてくると、流石に舞奈も笑ってはいられず、二人に挟まれながらオロオロしていると、奥からのんびりとした声が掛けられる。

 「舞奈ちゃん、そこの二人はいつもの事だからほおっておいて大丈夫よ。それより、お茶を入れたからこっちにきたら」

 早百合がリビングのテーブルにお茶を用意しながら、舞奈を手招きする。

 本当にそのままで良いのだろうか、と大河と栄子を見るが、早百合がいつもの事と言っていたので、舞奈はテーブルに座る。

 入れてもらった紅茶に口をつけると、早百合はにこにこしながら舞奈を見つめる。

 「ねえ舞奈ちゃん。とっても良いもの見たくない?」

 「良いもの、ですか?」

 舞奈の答えに、早百合はええ、と微笑みながら隣のイスから何かを取りだす。

 「ウフフ。これ、なーんだ」

 「ちょっ!?早百合さんそれは!?」

 いつの間にか栄子との口論を終わらしていた大河は、早百合の手に持っている物に驚く。

 それは、大河と成滝の高校時代の卒業アルバム。

 大河の部屋を探した時に見つからなかったアルバムを見て、舞奈は目をキラキラさせる。

 「見たいです!先生の高校時代!!」

 自分と同年代の大河がどんなだったか興味津々な舞奈は、大河が苦い顔をしているのを気にせずに身を乗り出す。

 「舞奈・・・」

 あまりにも嬉しそうな顔をする舞奈に、大河は渋い声を出す。

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