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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
 (気持ちよかったぁ~)

 熱めのシャワーを浴び、用意してくれた香りがとても良いシャンプー等を利用した舞奈は、上機嫌で身体を拭き、用意されていたボディクリームを塗り、更に上機嫌になる。

 (すっごいサラサラ!匂いもいいし。これほしい~~~!!!)

 まだ化粧品にそこまで興味を持っていない舞奈は、使用したアメニティにテンションがどんどん上がっていく。

 すると、クルル~っとお腹の音が小気味良く鳴り、誰もいないのに少しだけ恥ずかしくなる。

 先ほど、早百合が食事の用意をしてくれたと言っていたのを思い出し、急いで髪の毛をドライヤーで乾かす。

 すると、コンコンとドアがノックされ、ドライヤーを切り、はいと返事をする。

 (?)

 返事をしたのに、ドアはすぐに開かず、外から声も掛からない。

 聞こえなかったのかな?と思い、舞奈はもう一度返事をすると、少し間をおいてようやくドアが開かれる。

 「先生?」

 そこには、少しだけ気まずそうな表情をした大河がおり、大河はドアを閉め、脱衣所に二入る。

 何か様かな?と舞奈は大河の反応を伺うが、大河は切なげに舞奈を見て、何かを言いたげに口を開くがすぐに視線を反らし口を噤む。

 (私、何かしちゃったかな・・・)

 何時もならば、言いたい事ははっきりと言葉にする大河が、こんなにも気まずそうに口を噤むのはおかしいと思い、自分が何か仕出かしたのかと不安になる。

 「あの、せん・・・!!」

 モヤモヤするのを嫌い、ちゃんと理由を聞こうと舞奈が口を開いた瞬間、ぎゅうっと力強く大河に抱きしめられる。

 「え?先生!?」

 突然、苦しくなる程抱きしめられた舞奈は、戸惑いの声をあげるが、大河は腕の力を緩めず、少しの間舞奈を抱きしめた。

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