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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
 「・・・舞奈、昨夜の事怒っているかい?」

 「え?」

 とても切なそうな声で、突然話された為、舞奈はちゃんと聞き取れず問い直してしまう。

 しかし、大河はそれを勘違いしたのか、また更に強く舞奈を抱きしめ、更に切なそうな声を出す。

 「やっぱり、怒っているんだね・・・」

 (え?え!?)

 何に対して怒っていると決め付けているのか舞奈は解らなかったが、昨夜とは違い何時もと変わらない口調で、とても切ない声を出す大河に胸がきゅんとときめいてしまう。

 (やだ!なんか先生可愛い!!!)

 腕の力はまったく緩められず、少し苦しいけれど舞奈は弱っている大河が可愛すぎて、ドキドキを胸を高鳴らせる。

 「・・・僕と、口も聞きたくない?」

 舞奈が大河にときめいて返事をするのを忘れていると、体を離し大河がとても切なそうな瞳で舞奈を見つめる。

 (ヤバイヤバイ!!何この人!!まじで可愛すぎるんですけど!!!)

 何時もの舞奈を暴く鋭い視線ではなく、今は捨てられた子犬の様な瞳に、舞奈の頭の中はこの表情を永久保存するべく、脳裏に焼き付ける事で精一杯になる。

 「・・・舞奈?」

 しかし、それにばかり気をとられ大河を無視してはいけないと、舞奈ははっとし気を取り直す。

 「あの、大丈夫です!私怒ってなんかいませんよ」

 取りあえず、何故自分が怒っていると思っているのか解らないが、大河に自分が怒っていない事を告げる。

 「本当に?」

 それでも心配なのか、大河はもう一度舞奈に確認をすると、舞奈はコクコクと縦に首をふる。

 「怒ってないです!先生に怒るような事ないです!!」

 舞奈は大河の服をぎゅっと握り、大河の不安を取り除くために力強い瞳で見つめる。

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