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ただそこに君がいた
第2章 いつからか
『ひあっ…ちょっ!なにす…!』
『ふざけんな!こんな冷えた体で待ってられる訳ないだろ?!ちゃんとあっためろ!恥ずかしいとか、そんなのは二の次だ。』
ちょっとでも素肌にお湯が触れるよう首元にシャワーを当てながら言うと、一夏は押し黙った。
『……何よ。なら、レディーファーストにしてよ。』
『アホッ贅沢言うな、オレだって寒みぃわ!女の長風呂なんか待ってられるか。』
大人しくなった一夏にしばらく当てて、次はオレ。成り行きのままオレもパンツ履いたまま浴びてんだけど…まあいいや、お湯ってあったけぇな。
『あったかい…』
『ん、そだな。』
『………あ、ありがとね。』
『ああ?聞こえねーな、もう一回。』
『〜〜〜聞こえたでしょ、バカ!』
噛み付くみたいに怒鳴った一夏と目が合って、なんか二人して笑った。こうして言い合うのも、笑うのも、すげー久しぶり。なのになんだろ、このカンジ。悪くないな。