この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただそこに君がいた
第2章 いつからか
『うおっ冷てっ…!』
『あ、ゴメン…』
背中に肩がくっついて、思わず震え上がった。いや、すげー冷えてんな…
『いーから離れんな、くっついてでも早くあったまれ。それ尋常じゃねーからな。』
言えば、素直に背中を預けて来る。
『大丈夫?冷たくない?』
『冷てーよ。』
『ごめんね?』
『いーから。んで、早速だけど本題な。お前…あんなとこで、何してた?』
オレは待ちくたびれてソッコー話題を変えた。まぁ、勃起から気を逸らしたかった気持ちも無きにしもあらずだが。とはいえ第一、オレ達が一緒に風呂に入ってる意味はソコにある。一夏は泣いてたんだ。その理由をいち早く聞きたいとオレは思っていた。
『あ〜……うん、えっと…
えっとね?そんな大したことじゃ、ないのよ…?』
真裏で聞こえる声に集中する。…分かってる。歯切れの悪いこの口調は、嘘をつくか迷ってる時の、一夏の話しぶりだ。