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ただそこに君がいた
第2章 いつからか
『…そんなの気にすんな。大した器じゃなかったんだよ、その留守電男。お前が傷つくことじゃない。』
振り返って見た一夏の肩は小さかった。細くて、白くて、小刻みに揺れる姿が、ただのか弱い女みたいだった。
『……っ…好きだって…すごく好きで仕方ないからって…何度もそう言ってきたから、あたし…』
『一夏…』
『だから許したのッ…!将来は結婚したいって、真剣だって言うから、許したのに…!』
『分かった。もういいから落ち着』
『つまんないって何…?!そんな一言で、何もかも無かったことになるの?!あたし…だってあたし、あんな奴に…!』
ザバッ………!
後ろから抱きしめた一夏は、驚くほど柔らかかった。