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ただそこに君がいた
第2章 いつからか


『…まだ、そいつが好きなのか?』


湯船からはみ出した肩は、まだ少し冷えていて。でも体は十分温まっているのが分かって、そこは安心した。だけど一夏は何も答えない。


『別に未練たらしいとか思ったりしねーよ?オレとお前の仲なんだし…正直なとこ言えって。』

『…………』


一夏のことだ。どーせオレ以外に、弱音を吐く場所なんてないんだろうから。だから受け止めてやろうと思ったんだ。


『おぉーい、一夏?』

『聞こえてるわよ。』


無愛想な一言のみで、後はやっぱり無言。
なんだよ…もしかして、答えられないのか?


『じゃー別の質問。どのくらい付き合ってた?そいつと。』

『もうすぐ四ヶ月、だったわ…』

『ふーん…じゃあ告白は?どっちからした?』


別にオレはこういう話に長けちゃいないし、経験が多い訳でもない。どっちかと言うと女の涙は面倒くせーし、慰めるのも好きじゃねぇ。でも、だからって放ってはおけないだろ。特にこんな…素直になれねー強情女なんか、オレくらい心が広くなきゃ扱ってやれねーだろと思う訳。だからせいぜい、感謝しろよな。




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