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ただそこに君がいた
第2章 いつからか


『んっ…!』

『覚えとく価値なんかねぇ…今すぐ忘れろ。』


唇で触れたそこへ、もう一度口づけてオレは言った。


『う、うぅ…』


オレの手の中、一夏が涙を流す。その手の平も、後ろからまわした腕も、一夏は退けようとしない。


『大丈夫、一夏はいい奴だよ。オレはちゃんと知ってるから。一夏のいい所は昔から…ちゃんとオレは分かってるから…!』


オレはうわ言のように呟いて、抱きしめた。
そんなことしかできなかった。




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