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ただそこに君がいた
第2章 いつからか
『ありがとう…もう、平気。』
どれくらいそうしていたのか。
しばらくして一夏はそう言い、オレの手をどけた。
『少しのぼせちゃったわね…』
『なあ、一夏……』
手を払われたことが気に入らなかったのか、すっかりのぼせていたのか。それともただ、溜まっていただけなのか。はっきりとした理由は自分でもよく分からない。だけど…
『抱かせてくんない?』
気づけばオレは。もう一度一夏を抱き寄せて、そんなことを口走っていた。
『…はあ?あんた、アタマ大丈夫?』
一夏はバカバカしそうに答える。自分で言っておきながら、当然の返しだよなと納得したりもする。
『大丈夫に決まってんだろ、ムラムラきてんだから。』
普通に考えて、一夏の意見のが絶対正しい。当然だ。そういう意識はちゃんとあるのに。