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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
朝日が静かに始まりを知らせる

早めの支度と早めの出勤

行き交う人々と挨拶の群れ

真っ先にコピー室に向かった

「さゆり。おはよう」

「おはよう」

ファイルをケイスケに渡した

「なんか…今日、きれいだな」

「へ?何言ってんの(笑)」

「髪型かな?スーツのせいかな?」

「(笑)なになに。久々に髪UPにしてるからかな(笑)」

「うなじ…ヤバイ」

「でた。エロ男」

「本当に。キレイだよ」

「なんか照れる(笑)ありがとう」

「ファイルありがとな。」

「うん。じゃ。ね。」

お互い、別々にコピー室を出て、全体朝礼へ向かった

社長の長い話…
今月の目標…
いつもの流れにアクビを抑えるのに力を注ぐ

『え~それでは、新プロジェクトに伴い~…』

(長いな…)

「さゆり。さゆり。」

先輩が小声で近寄ってきた。
「おはようございます」
「今日、めっちゃ可愛いじゃん」
「へ?ランチおごりませんよ(笑)」
「いや。まじで。サラサラヘアも可愛いけどUPにするとめちゃくちゃキレイだよ」

「ありがとうございます(笑)」

「あー!さゆり。さゆり。」
「(笑)なんですか?」

先輩が前方を指さして驚いている

「え?なんですか?」

「龍崎さん!!戻ってきたんだ!!全然、変わってない!!カッコイイ~」

(え???今、なんて?)


会場内が歓喜のようなざわめきを起こしている

(え?なに?)

前をもう一度見ると、信じられない光景が目に飛び込んできて、息が出来ないくらい苦しくなっていた

「さゆり。さゆり!大丈夫?しっかりして!どうしたの?」

目眩がして気づくと先輩に寄っ掛かっていた

「すみません。大丈夫です。なんか風邪気味で…」

(龍崎さん…)

朝礼が終わり、部所に戻ると、早速、専務が来るとのことで応接室に呼ばれた。

応接室に入ると、専務はおらず、今朝、目にした龍崎がソファーに一人、座っていた

「さゆり…」

「お帰りなさい」

「なんか…一段とキレイになったな」

「……」

(助けて…お願い…神様…)

本気だったのにセフレとしてしか扱われなかった男…龍崎が3年ぶりに帰ってきたのだ
婚約者がいることを伏せて、カラダだけの関係と3年遊ばれた男が…帰ってきた

「さゆり…ごめんな」

「………」

(なんて言えばいいの?どうしたら救われるの?)
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