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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
打合せ中、ケイスケの指先が太ももをつたる感触が
龍崎に気づかれてしまうのではないかという不安と
本能が感じる気持ち良さで、葛藤していた

打合せのまま、昼食をとり、ケイスケと取引先に向かった。

「やっと二人になれた」

運転席でエンジンをかけたケイスケが、呟く

「何、考えてるの?一緒に仕事するって知ってたの?」

「まさか。俺、今朝、いきなり辞令たぜ。しかも、龍崎さんのとこに。ってしか聞いてなくてさ。まさか、さゆりがいるとは…」

「そう…打合せ中、あんなこと…」

「ごめん。今日、あまりにキレイだったから…つい…」

「もう、前の関係じゃないんだから…ゆうか…ちゃ…」

(そういえば、ゆうかちゃん…あの男…)

「…だよな。ごめん。ゆうかちゃん裏切るなんて、しない。ごめん。」

「うん。。。」

(もし、ゆうかちゃんが、他にもいるんだとしたら…いや。私には、関係ない。二人の問題よね。)

ケイスケが車を走らせた。

「わりぃ。後ろのブランケットとって。」

「あっ。これ?」

「そう。」

ブランケットをとり、ケイスケに差し出した

「わりぃんだけど…そのブランケットで、胸~足まで、覆っててくんないかな」

「へ?」

「だめなんだよ。お前のカラダ見えると、こんなんなっちゃって…」

股間を見せてくる。

「ちょっと…やだ…ばか。」

「俺、我慢できる自信ないから、早く隠して」

「あっ。わかった。なんかごめんね…」

「ごめんな。」

沈黙のまま、取引先についた

取引先では、ぴったりの呼吸で
順調に事が運び、龍崎さんに良い報告ができる喜びで胸がいっぱいになっていた
車に戻る途中、誰かに呼ばれた気がした

「さゆり?呼ばれてない?」

ケイスケが足を止め、後方に首を向ける

「私も、呼ばれた気がしたんだけど、空耳かと…やっぱり?」

『さゆりちゃーん』

(誰?やっぱり、私だよね?)

知らない男が走ってくる

(誰?知らない)

「さゆりちゃん。覚えてる?」

(どうしよう。本当にわかんない。)

「えっと…えっ…あの…失礼ですが…」

「だよね。もう10年くらい会ってないもんね。」

(誰?)

「本当、ごめんなさい…」

「あまりにキレイになってたから、違ってたらどうしよう。って一瞬、思ったんだけど、面影あったし、絶対そうだと思って」

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