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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
(誰なの?)

「えっと…本当、ごめんなさい」
「田坂です。アキラの兄貴です」

(……嘘…嘘…嘘…やだ…どうしよう)

空気を察したのか、ケイスケが田坂に近づいた

「うちの中谷とお知り合いですか?」

「これは、失礼致しました。田坂と申します。
中谷さんは、学生時代、弟とおつきあいしてまして、家族ぐるみで仲良くさせていたのですが、たぶん、わたくしが、あまりにフケて面影がないのかもしれませんね(笑)」

「そうでしたか…申し遅れました。この度、御社を担当させて頂いております金子ともうします。」

二人は、改めて名刺交換をしている

(髪型も違うし、あんなに日焼けしてたのに
今は、爽やかなビジネスマンみたいに変わって田坂先輩…なんて気づかなかった…こんなとこで会うなんて…なんだか最近、偶然が多すぎて怖い…)

「田坂先輩…ごめんなさい…あまりに変わってらしたので…失礼致しました…」

「さゆりちゃん。そんないいよ。それよりさ。久々の再会じゃない。今夜、飲みに行かない?」

「えっ…あっ…その…今夜は…予定があるので、ごめんなさい」

「急すぎるよね(笑)また、日を改めて行こうよ。これ、電話番号だからさ。空いてる日、わかったら電話くれよ。」

田坂に名刺を渡された

「あっ…でも…」

「渡したいものもあるからさ」

いきなり、耳元に近づいて、金子に聞かれたくなかったのか、そっと囁かれた

(何…?なんなの?なんか…こわい)

囁いてすぐに田坂は、爽やかに去っていった。

ケイスケが心配そうな眼差しで
何かを呟いた。

「ん?」

「いやさ…あいつ…連絡しないほうがいいよ」

「…うん」

「さゆり?」

「ん?」

左手に持っていた名刺をケイスケがちぎっていた

「あっ…」

「持ってたら、電話するだろ?」

「しないけど…でも、このほうがいいよね。」

「あいつ。なんかヤバイ気がする。近づくなよ。なんかあったら、すぐに言えよ。」

「…(笑)」

「なんだよ」

「なんか…ケイスケ、セフレじゃなくなったら彼氏みたいで(笑)」

「あっ。ごめん。俺にこんな権利ないよな…俺、何やってんだろ…」

「ううん(笑)なんか、嬉しい…ありがとう」

「あっ!ブランケット、帰りも、ちゃんとな」

「了解(笑)」

田坂先輩との再会にまだ、胸がひっかかっていたが
忘れるふりをした
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