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元セフレの上司が帰ってきた
第2章 切り離せない過去
「そうだったんだ。遅れてごめんね。広瀬君は、何を?」

「午前中、部長が抜粋してた資料のまとめを……」

座高以上に積み重なっている資料に目がとまる

「これ……全部??」

「明日までに。って言われて……」

「や~無理でしょ。書庫の収集終わったら、手伝うから。」

「いや。書庫の収集のほうが膨大っぽいですよ」

「あっ!?あり得る…とりあえず、書庫行ってくるね」

「お願いします」

急いで35階の奥地にある書庫へ向かった

龍崎さんの姿が見当たらない

棚が永遠と一ミリのズレもなく整列している部屋は、ほとんど人の出入りもないせいか、どこか閉めきった独特の匂いがする

「さゆり」

「龍崎さん。すみません。遅くなりました」

「あぁ。今さ、探しながら、PCにスキャンしていれこんでるから、とりあえず、こっちの棚からみて行ってくれる?」

「はい。」

お互い、膨大な資料の確認に没頭していた
気づくと二時間くらい過ぎていただろうか…

龍崎さんが、缶コーヒー2つを片手でちらつかせ
「一服いくか」
「はい。助かります。てか。この階、喫煙室あるんですか?」
「俺もさっき知ったんだけど、隣の中扉がそうみたい」
「ラッキー!!」

ゆっくりタバコを味わっていた

「静かだよな」

「滅多に用事ない場所ですもんね。PCが導入する前のものって、そんなに調べることないですしね」

「そうだな。。。な。さゆり」

「はい?」

「覚えてるか?6年前さ…この書庫の整理しなきゃいけなくなってさ」

「(笑)忘れるわけがないですよ」

「記念すべき場所だよな(笑)」

龍崎は、思い出に浸るようにもう1本、火をつけていた

私も6年前の書庫での出来事を思いだしていた

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


≪6年前≫

7月の暑い日でクーラーも効いてるんだか効いてないんだか、わからない中で会社の急成長もあり、書庫に資料を分別しながらしまう。という作業に追われていた。
毎晩、残業続きで、気づくと、龍崎と二人で終電近くまで仕事をしている日が4日続いていた

棚が高くて、脚立に乗って保管作業をしていた時だった。
脚立から降りて、次の資料を手に取ろうとした時、龍崎が、その資料と私の手を掴み、真剣な眼差しで数秒、見つめられていた
やっと開いた龍崎の口から聞こえたのは……
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